金庫の処分は、その重量と、特殊な材質から、専門の業者に依頼するのが一般的です。しかし、いざ業者を選ぼうとすると、無数の回収業者が存在し、どこが本当に信頼できるのか、見極めるのは至難の業です。特に、不用品回収業者の中には、無許可で営業し、不法投棄や、不当な高額請求を行う、悪質な業者が紛れているのも事実です。大切な金庫の「最後の旅」を、安心して任せられる、優良な業者を選ぶための、重要なチェックポイントを解説します。まず、最も重要なのが、その業者が、法律に基づいた、正式な「許可」を得ているか、という点です。金庫は、多くの場合、「産業廃棄物」として扱われます。そのため、その収集運搬を行うには、「産業廃棄物収集運搬業許可」という、都道府県知事からの許可が、必要不可欠です。また、一般家庭の不用品を回収するには、「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。業者のウェブサイトの、会社概要のページなどを確認し、これらの許可番号が、きちんと明記されているかを、必ずチェックしましょう。この許可なく営業している業者は、論外です。次に、料金体系の「明確さ」です。電話や、ウェブサイトでの見積もりの段階で、料金の内訳(基本料金、運搬費、処分費など)を、きちんと説明し、追加料金が発生する可能性についても、誠実に言及してくれる業者を選びましょう。「何でも無料で回収します」と謳い、作業後に、高額な「運搬費」や「リサイクル料」を請求してくるのは、悪質業者の常套手段です。そして、必ず「複数の業者から、相見積もりを取る」こと。一社だけの見積もりで即決せず、料金とサービス内容を比較検討することで、不当な高額請求を避け、適正な相場を、自分自身で把握することができます。最後に、会社の所在地が明確で、固定電話の番号があり、万が一の際の損害賠償保険に加入しているか、といった点も、その業者の信頼性を測る上で、重要な指標となります。
失敗しない金庫処分業者の選び方